2021 年 77 巻 2 号 p. I_145-I_150
利用しやすいフェリーターミナルを整備するには,国・港湾管理者・利用者が連携してターミナルのレイアウト計画を検討することが重要である.しかしながら,国・港湾管理者と利用者の間には,現場での荷役作業に関する知識・経験に大きな差があり,利用実態に関する十分な認識共有が図られないまま,検討が進められるという課題がある.
本研究では,高松港朝日地区で新たに整備が予定されているフェリーターミナルでの車両乗下船作業を再現する離散型イベントシミュレーションを構築し,シミュレーションの分析結果をもとに,国・港湾管理者・利用者が連携してターミナルのレイアウト計画を検討する.このことを通じて,国・港湾管理者と利用者が同じ認識を持ちながらターミナルレイアウトを検討する手段として,離散型イベントシミュレーションモデルが有効であることを提示する.