2021 年 77 巻 2 号 p. I_199-I_204
2020年夏季は,Covid-19の影響で全国約40%の海水浴場が不開設となったが,地域によっては多くの利用者が海岸に訪れた.感染収束がみえないなかでは,2021年夏季の海岸利用も適切な感染防止対策が求められる.対策の検討には2020年の利用状況が参考になり,利用者自身によるCovid-19感染へのリスク管理には定量的な情報の提供が有効である.本研究は,海水浴場の定点カメラによる撮影画像から,AIを用いて密の状態を定量的に算出し,2019年と2020年の夏季海岸利用状況の変化を調べた.その結果,2020年は平日に利用者が多く,利用者数のピークの時間帯が日中の13時から14時にずれていたことから,人の集中を避けた利用状況であったと考えられた.しかしながら,2m以内の人の密集は日曜に多く,またピークの時間帯前後で多くみられた.