2021 年 77 巻 2 号 p. I_205-I_210
気候変動の緩和策として,海洋生態系の光合成活動によって吸収・貯留される炭素である「ブルーカーボン」が注目されている.ブルーカーボン生態系の1つであるアマモについて,流れの影響を受けて変形すると二酸化炭素吸収効果が大きく変化すると考えられるため,流動が水草に与える影響を詳細に評価する必要がある.このような理由から,個々のアマモを独立したオブジェクトとして定義し,流れ場との相互作用を詳細に再現できる水草モデル(Submerged Aquatic Vegetation model:SAV model)が最近の研究において提案された.そこで本研究では,このSAV modelの再現性の検証を目的として,低発泡ポリエチレン製の水草模型を用いた水槽実験を行った.その結果,SAVモデルは流れ場および水草の形状を高精度に再現できた.