2021 年 77 巻 2 号 p. I_385-I_390
近年,建設現場の省力化を目的に,コンクリート構造物のプレキャスト化(以下,PCa化)が求められている.港湾工事における桟橋上部工は,PCa化により波浪等の外的要因を受ける海上作業を削減できるため,多くのメリットがある.著者らは,PCa部材を全て工場製作および陸上運搬し,現場搬入後にポストテンション方式のプレストレスによって一体化するPC圧着構造を提案している.本工法は主要部材の現場打ちが不要であり,現場施工の省力化・省人化が図れるものと期待される.本研究では,PC圧着されたPCa部材に一様なせん断力を載荷し,PCa部材の接合部におけるせん断耐力を評価するとともに,既往の評価式の適用性について検討した.その結果,PCa部材の接合部は既往評価式で想定される摩擦力以上のせん断耐力が確認された.