2021 年 77 巻 2 号 p. I_457-I_462
鉄鋼生産の副産物である製鋼スラグは,天然砂と比べて内部摩擦角が大きく,サンドコンパクションパイル材(以下,SCP材)に用いた場合,円弧すべりの安定計算では改良幅を縮小できる.一方,耐震性能照査で実施される地震応答解析では,製鋼スラグの内部摩擦角だけでなく,SCP改良地盤としての解析モデルが必要となる.本研究では,原位置試験と室内試験のデータから,製鋼スラグのSCP改良地盤の物性を検討した.その結果,天然砂のSCPと比べて,密度が3割程度,内部摩擦角とせん断剛性が1割程度大きくなった.また,重力式岸壁を対象に解析したところ,密度と内部摩擦角が大きいことで,製鋼スラグのSCPでは単位面積で負担するせん断抵抗力が大きくなり,天然砂より改良幅を縮小しても岸壁の変形量が同等になることが分かった.