2021 年 77 巻 2 号 p. I_463-I_468
カルシア改質土や製鋼スラグ混合粘性土は,強度発現が一様ではなく,強度発現の要因が不明な点が多い.そこで,本研究では,転炉系製鋼スラグを混合した粘性土のせん断強度発現について,混合土の固化によるせん断強度発現に影響を与える粘性土や製鋼スラグの物理・化学的要因について検討した.その結果,製鋼スラグ混合粘性土の固化によるせん断強度の発現は,製鋼スラグの最大粒径4.75mm,細粒分含有率0~30%,製鋼スラグ中の遊離石灰量が3.5mass%以上のものを用いる場合,製鋼スラグの粒度分布や遊離石灰量の影響よりも,粘性土の種類の影響が大きいことが分かった.特に,粘性土中の非晶質シリカ含有率と非晶質シリカの構成比率が異なるとせん断強度やせん断強度の発現傾向が大きく異なることが分かった.