2021 年 77 巻 2 号 p. I_739-I_744
設計沖波(確率沖波)の算定には,気象擾乱の抽出,風場推算および波浪推算を精度良く効率的に実施する必要がある.本研究の目的は,主に確率沖波の算定手法について従来手法の問題点を整理し,解決のために導入した手法を,東北地方を事例として具体的に示すことである.加えて,確率沖波の経年変化や極値統計解析期間による確率沖波の違いについて検討を行うことである.東北地方の事例から,効率的な気象擾乱の抽出や,精度の高い波浪推算を実施することができた.また,推算結果から日本海側で年最大波高が増大傾向にあること,および 50 年確率波も増大傾向にあることが示された.