2021 年 77 巻 2 号 p. I_805-I_810
横須賀海岸秋谷(大崩浜田)地区では2007~2014年に総量8万m3の礫養浜が行われ,海浜が復元された.しかし礫浜は大きく広がったものの,海浜が急勾配となると同時に海浜地盤高と護岸天端高の比高が小さくなったことから,背後地への越波や礫の打ち込みなどの課題が残された.また,漁港北側にあるL型突堤を越えて礫の一部が海水浴場へと流入する状況も見られた.本研究では,既往研究の結果について整理するとともに,秋谷・大崩浜田地区の空中写真・衛星画像を示した上で汀線変化を調べ,さらに縦断測量データより養浜に伴う縦断形変化や海浜面積の変化と養浜量の関係などについて調べた.これらを基に,L型突堤の付け根の高さをバーム高に等しい3mまで嵩上げすること,護岸前面で高さ+3m以上に堆積した礫を汀線へ戻す維持管理を行うことが望ましいことを明らかにした.