2021 年 77 巻 2 号 p. I_859-I_864
越流に対する堤防の補強方法として,地震動や津波の越流による法面の破壊を許容して天端高さのみを保つ工法が提案されている.著者は,堤防中央部に深層混合処理工法で固化処理土壁を構築し,地震動や津波越流が作用しても天端高さを保つ工法を検討している.本稿では,越流に対する改良効果について述べた.具体的には,堤体中央部に改良体を埋め込んだ堤防模型において遠心力場で越流状態を作り出し,越流時の堤防の状態を調べた.その結果,堤体に改良体を埋め込むことで,裏法面の洗掘は改良体で止まり,裏法面は洗掘されるが表法面や天端の崩壊は免れた.ただし,固化処理土壁にある程度の厚さや強度が必要なことも分かった.また,堤体内部を飽和化させないことで改良体への土圧の増加を抑制できることも示した.