2021 年 77 巻 2 号 p. I_931-I_936
海岸保全工法の一つとして割石を内部に詰め込む蛇籠構造物が各地海岸で用いられている.しかしながら,海岸に設置された蛇籠構造物の被災機構や被災評価法に関しては必ずしも明らかでない.しかも,波による蛇籠の被災機構と被災の評価方法を明確にしなければ,現地海岸での適切な利用や維持管理が達成できない.そこで,本研究では,現地に設置された蛇籠の被災調査に基づいて波による蛇籠の被災機構を推定し,加えて,蛇籠の単独ユニットおよび連結された蛇籠構造物群の実用的な被災評価を試みた.なお,手持ちのカメラを用いた現地踏査調査やレベルを用いた水準測量などでは定量的かつ面的な蛇籠の被災調査は困難であるので,本研究では,蛇籠の被災調査にドロ-ンを用いることにした.