2021 年 77 巻 2 号 p. I_937-I_942
社会基盤整備と環境の両立を目指し,港の維持管理・機能強化事業にサンゴの増殖を組み込む仕組みづくりを試行した.折れたサンゴの枝を簡便に取り付けることができるコンクリート基盤を開発し,アスパラギン酸を混和することによってサンゴの活着が促される可能性が示唆された.折れたサンゴの枝を活着させたブロックを防波堤工事で使用し,その後のモニタリング調査によりサンゴが順調に成長していることが確認できた.①社会基盤整備と環境の両立が図れること,②ボランティアではなく有償の事業としてサンゴの再生が成り立つこと,③地域の水産業・観光業にも相乗効果が導出される可能性があることが確認できた.