2022 年 78 巻 2 号 p. I_169-I_174
近年では,捨石均しで作業の効率性や潜水士の人手不足が問題視されており,対策の一つとして,重錘式捨石均しが採用されている.しかし,重錘落下時に発生する流れによって,比較的小さな捨石が飛散し,作業効率の低下が問題となっている.重錘落下時に発生する流速評価は重要であるため,本研究では重錘落下時に捨石マウンド上で発生する流れに対してDualSPHysicsの適用性を検討した.重錘の自由落下時の時系列変化は実験結果を良好に再現することができた.重錘落下によって発生する流れについては,粒子法における水の粒子サイズdp = 3mmで良好な再現性を確保できた.また,重錘中心直下においてはほとんど流れが発生しないことがわかり,最大流速が発生する位置は重錘底板の側面付近であることがわかった.さらに,落下高さhc = 300mmに比べてhc = 50mmでは発生する最大水平流速が約50%に低減できた.