2011 年 67 巻 1 号 p. 22-37
積雪地の道路舗装では,冬季の除雪対策として散水が行われることがある.その結果,路面が常に滞水状態におかれ,ポットホールが多発する要因となっている.ポットホール等の路面異常に対しては,通常常温混合物を用いて迅速に応急補修がなされるが,常温混合物本来の性能を発揮するだけの施工条件を満たすことが難しく,すぐに混合物が剥離してしまう事例が多い.本研究では,積雪地に適した補修工法,補修材料を選定するための基礎検討として,常温混合物の耐久性を統計的見地から考察する.具体的には,混合物の剥離過程をワイブル劣化ハザードモデルで表現し,積雪地の一般国道に生じたポットホールに関する点検データ,および補修後の経過履歴データを用いてモデルを推計するとともに,常温混合物の耐久性を実証的に分析する.