2015 年 71 巻 3 号 p. I_111-I_117
ポリマー改質アスファルトバインダは塑性変形抵抗性や摩耗抵抗性、はく離抵抗性等に優れており,重交通路を中心に普及している.近年では,CO2排出量削減や作業環境改善策として中温化ポリマー改質アスファルトバインダの開発も進んでおり,既に複数メーカーから市販されている.一般的に,アスファルトバインダの物理性状はDSR試験から得られるパラメータによって評価されてきたが,改質アスファルトバインダの非線形粘弾性状を適切に評価できないことが指摘されている.本研究では,国内で流通している複数の中温化ポリマー改質アスファルトバインダの性状を調査し,基本性状の相違を明らかにするとともに,物理性状評価に対して繰り返しクリープ試験(MSCR試験)の有効性を検証したので報告する.