2015 年 71 巻 3 号 p. I_201-I_209
土路盤上のバラスト軌道において,道床・路盤が不健全な箇所は道床交換すると共に路盤改良を行うことで健全な状態を保持することができる.一方で,そのような箇所の路盤改良ではバラストが発生土として廃棄されることが多い.そこで,筆者らは発生バラストに低強度グラウトを充填する新しい路盤改良工法の開発を行っている.本工法は,道床交換の際に発生する道床バラストを活用することで環境負荷の軽減とともに作業時間の短縮を目指したものである.本研究では,要素試験により発生バラストを用いた改良体の強度特性を把握した.また,路盤剛性の低い粘性土路盤の実物大模型試験を行い,本路盤改良工法の沈下抑制効果を確認した.さらに,路盤剛性の低い鉄道営業線において試験施工を行い,本工法の路盤改良効果を検証した.