抄録
バラスト軌道における座屈発生リスクを抑えるための道床横抵抗力向上の方策として,まくらぎに座屈防止板を取り付ける対策工が知られている.本研究では,種々の大きさや形状の座屈防止板を模型まくらぎに取り付けて道床横抵抗力の模型試験を実施し,これらの要因が道床横抵抗力に及ぼす影響を検討した.その結果,座屈防止板の面積が増加しても,必ずしも最終道床横抵抗力は増加せず,座屈防止板の形状により最終道床横抵抗力が異なった.座屈防止板の幅よりも根入れ深さが最終道床横抵抗力の増加に貢献したが,この傾向は軌きょう引き試験に比べて1本引き試験において著しかった.1本引き試験において防止板幅の効果があまり見られずに,軌きょう引き試験において防止板幅の効果が見られるのは,側面抵抗の発揮の仕方が変化するためと考えられる.