2017 年 73 巻 3 号 p. I_221-I_228
舗装の構造耐力は道路が長年使用されることにより経時的に低下していくが,その低下の速度は様々な外的要因や内的要因が影響して多様に異なる.構造耐力の低下は舗装の構造的な健全性の低下と深く関係しているために,構造耐力の回復効果が期待できる補修を最適な時期に実施することが求められる.本研究では,高速道路を対象としたFWD調査データを活用して,舗装各層の構造耐力の低下過程を表現する劣化ハザードモデルを推定し,パフォーマンスカーブを作成する.その際,補修後に測定された調査データについては,補修前後の構造耐力の低下過程の差異を考慮する.本研究の結果として,舗装各層の道路特性ごとの劣化傾向の違いおよび補修層ごとの補修後の劣化の程度の差異を定量的に表現した.