2020 年 76 巻 2 号 p. I_153-I_160
本研究は,地域別・条件別の代表箇所に関する舗装劣化曲線の構築と検証を行った研究1)にて明らかとなった課題である「舗装劣化曲線の管理現場での活用性」を考慮して代表路線の選定し,舗装のひび割れ劣化曲線の構築および検証を行ったものである.これまで,舗装の劣化予測に関する研究成果の多くは,劣化過程の不確実性に対応するため,確率的な劣化予測を用いてきた.しかしながら,分析した劣化予測の結果に対して実測結果にて検証した研究成果は少ない.舗装劣化曲線の管理現場での活用性を考慮し,関東地方整備局管内の国道事務所毎・路線毎の代表箇所を抽出し,路面性状測定結果を用いて劣化曲線を構築し,実測結果により検証した.検証にあたっては既往研究との比較を行うとともに,管理現場で活用可能なツールの作成を行った.