2020 年 76 巻 2 号 p. I_161-I_168
道路構造物は経年過による損傷などの不具合が問題となっており,適切な点検や補修による維持管理が重要である.道路維持管理では2次元データの利用が主流となっていたが,点検者が点検箇所を把握しづらいことや現場の状況を正しく理解できないことがあり,2次元データのみで点検や損傷の状況を理解することは難しい.そこで,点群データを用いて,道路維持管理の高度化を期待できる.本研究では,3次元データを用いた舗装の維持管理の環境を構築するために,地上型レーザスキャナを用いて舗装面を計測して,3次元データを構築し,その精度を評価した.その結果,舗装面の3次元データの結合箇所における点間距離の平均誤差は約3.7~4.7mmであり,勾配は実空間と同程度の値であった.そして,3次元データを点検や補修の情報の管理基盤とする舗装維持管理システムにおける機能を検討した.