2020 年 76 巻 2 号 p. I_93-I_100
アスファルト混合物層内に補強材を敷設し,混合物層下面に生じる引張ひずみの低減を図る工法については,補強材の最適な物理的性状やひずみ低減のメカニズムなど不明な点が数多く残されている.本研究では,再生材としての利用を考慮して,バサルトグリッドを補強材として選定し,物理的性状が異なる3種類を敷設したアスファルト混合物層に対して,基本的な力学的性状と下面に生じる引張ひずみの低減効果を評価した.その結果,敷設するメッシュ状グリッドの開口部寸法とメッシュ部の硬さが不適当な場合,混合物層間の引張抵抗性とせん断抵抗性が低下する傾向が認められた.また,ひずみ低減効果に対しては,敷設するグリッドの引張強度が支配的な要因ではなく,グリッドによる骨材粒子の拘束効果が主要な影響要因であることがわかった.