2011 年 67 巻 3 号 p. 628-643
制震構造は,性能とコストを両立する上で非常に優れているが,その設計法は未だ確立されているとは言い難い.そこで,本研究は制震構造の設計法に資することを目的とした振動台実験を行なった.振動台実験は,非線形領域を含むRC構造物と摩擦型ダンパーが共同して抵抗する状況を再現するものであり,ダンパー有無の2ケースとした.実験の結果,摩擦型ダンパーの有効性や地震動レベルに応じた摩擦型ダンパーの働きが明らかになった.さらに,動的解析により,ダンパーのモデル化について考察を行った.