2011 年 67 巻 3 号 p. 503-516
東京ゲートブリッジでは大規模地震に対応するため超大型の機能分離型すべり免震支承を採用した.機能分離型すべり免震支承は鉛直反力を支える鉛直支承と水平反力に抵抗するゴムバッファーの2つの支承部材からなり,鉛直支承のすべり面での摩擦抵抗によりエネルギー減衰を図るものである.ここで,すべり面の摩擦係数が設計上の重要な要素となる.本論文では,すべり面の摩擦係数の面圧依存性,速度依存性等の力学特性をせん断載荷試験により調べた.また,動的応答計算によりこの要因が本橋の地震応答に及ぼす影響を調べるとともに,採用した機能分離型すべり免震支承が設計地震動に対して許容値以内であることを確認した.