抄録
本研究では,実橋梁における損傷と動特性変化の相関関係を把握することを目的として,撤去される歩道橋に対して段階的に損傷を与えながら振動計測を実施した.対象橋梁の構造形式は2主鋼鈑桁橋であり,片側の主桁の下フランジ自由突出板にガス切断によるスリットを順番に与えた.次いで,スリット間の自由突出板を逐次切除することとした.与えた損傷ケースの総数は32である.計測結果から,損傷の進行に応じた固有振動数の低下が確認された.その低下率は,損傷の与え方に起因して,ねじれを伴わない振動モードで大きくなった.また,計測結果の再現解析を,スペクトル要素法と有限要素法により行った.その結果,解析結果からも計測結果と同様な固有振動数の低下が確認された.