2013 年 69 巻 3 号 p. 467-480
本研究は,りん酸塩処理した溶融亜鉛めっき接合面の高力ボルト摩擦接合継手における適切なボルト軸力導入方法およびすべり耐力を明確にすることを目的とした研究である.本研究では,ボルト径およびボルト長をパラメータとした試験体を作成し,ナット回転法を用い,その回転角を変化させてボルト締付けを行った.そして,ボルト導入軸力を調べ,さらに,リラクセーションも考慮して適切なボルト軸力が導入されるナット回転角を提案した.提案したナット回転角を用いてすべり試験体を作成し,すべり耐力試験を実施した.これらの結果から,提案したナット回転角の妥当性を検証した.