2013 年 69 巻 4 号 p. I_228-I_234
等方圧密状態にある砂地盤の液状化特性についてはこれまでに多くの研究がなされ,様々なことが明らかにされている.載荷振動数の影響もその一つであり,等方圧密状態における通常の液状化試験では,載荷振動数は砂の液状化特性にほとんど影響を及ぼさないことが室内試験により確かめられている.しかし,構造物や盛土直下の地盤など,一定の軸差応力が作用した異方圧密状態にある砂地盤の液状化特性に関する研究は十分ではなく,載荷振動数の影響も明らかにされていない.
本研究では,中空ねじりせん断試験装置を用いて軸差応力一定,軸ひずみを許容する条件で載荷振動数を変化させて繰返し非排水せん断試験を行い,載荷振動数の影響を検討した.試験の結果,載荷振動数が低いほど軸ひずみが増加しやすいことが明らかになった.