抄録
高力ボルト摩擦接合継手の支圧耐力を考慮した限界状態設計法の適用を考えた場合,具体的な支圧限界状態の定義とそれに対応した合理的な支圧耐力評価法の確立が必要となる.しかし,すでに限界状態設計法に移行しているEurocodeにおいてもボルト孔の変形などの変形性状に関する規定はなく,わが国においても規定されていない.著者らはこれまでに,1行1列継手の引張試験を行い,ボルト孔の変形量に基づく支圧耐力を明らかにした.本研究では,この試験結果を踏まえ,ボルトピッチおよび列数をパラメータとした1行2, 3列継手の引張試験を行い,継手全体の支圧耐力と各ボルト孔の変形量の関係を明らかにした.その結果,ボルトピッチと軸平行部径の比p/dを4.5以上とすれば,継手全体の支圧耐力はボルト1本あたりの支圧耐力のボルト本数倍となることを示した.