抄録
地震時において施設の被災等が懸念される場合,鉄道事業者は安全確保のため可能な限り早く列車を停止させる.地震時の早期列車停止では,特に新幹線に対し停止信号の即時的出力を目指す早期警報用地震計を用いた地震防災システムが導入されている.このシステムは過去の地震において迅速に警報を出力するなど有効に機能した実績を持つ.一方,近年の地震防災に対する社会的要請の高まりを受け,地震計の機能強化による安全性の向上が望まれている.早期警報用地震計では,即時的に地震の位置と規模を推定する機能,ならびに誤警報防止の観点から計測された振動が地震動かそれ以外かを識別する機能が特に重要である.本論文では,両機能の強化に向けた新たなアルゴリズムを示すと共に,現行手法に対する提案手法の有効性の検証結果について述べる.