抄録
本研究は,爆発荷重に対する合理的な耐爆構造設計に資するため,近接爆発による分布荷重を受けるRCはりの破壊メカニズムについて考察し,曲げ応答評価法の提案を行ったものである.まず,近接爆発時における爆風圧の分布特性を調べるため,C-4爆薬を用いて爆風圧の計測実験を行った.実験結果に基づいて,爆薬量,離隔距離および対象とする部材長を変数とした最大反射圧および力積の分布特性を評価する式を提案した.次に,C-4爆薬を用いてRCはりに対する近接爆発実験を行い,RCはりに作用する圧力,RCはりの最大応答変位,鉄筋ひずみおよび支点反力等を計測し,近接爆発を受けるRCはりの破壊メカニズムに関する考察を行った.さらに,近接爆発による分布荷重を考慮したRCはりの曲げ応答評価法について提案を行った.