抄録
水晶振動子をセンサとして採用した加速度センサは振り子による加速度センサとは異なり,その原理から小さなセンサでも高い感度と精度が期待できる.しかし,水晶振動子は温度変化の影響を強く受ける.本研究では,既に実用化されている水晶振動子による加速度センサがどれだけの精度を有するかを確かめるためにセンサ全体をデュワー瓶に入れて高度な温度管理をしながら温度と共に加速度値を記録した.定点における長時間測定および絶対重力値があきらかな多数の重力基準点での測定を実施し,温度と加速度値の関係を定性的,定量的に明らかにしたうえで,簡単な回帰式を用いてモデル化した.得られたモデルを用いて加速度記録を温度を用いて補正することで,2~3 mGalの精度で加速度値を求めることができることを明らかにした.