抄録
2016年熊本地震の本震発生後3日間に取得された航空写真を用いて目視判読により建物被害を4段階に区分するとともに,国土地理院が公開する国土画像情報との対比により建築年代を2段階に分類した上で,建物の形状から木造,非木造に区分し,これらのデータを国土地理院の基盤地図情報と突合することにより約32万棟分のGISデータを作成した.また,別途実施した地表からの外観目視による建物被害調査結果との比較を行い,航空写真を用いた建物被害判読の精度について検証した.さらに,本震により生じた建物被害率と地震動強さとの関係について検討した.一方,益城町においては前震直後の4月15日に取得された航空写真の目視判読により建物被害を把握し,前震のみの影響による建物被害率と地震動強さとの関係について検討した.