2019 年 75 巻 2 号 p. 111-126
岩盤埋設水圧鉄管の管内空虚時外水圧座屈圧力の算定においては,充填コンクリートと岩盤の剛性無限大を仮定したAmstutz式が1960年代以降用いられて来た.その後の揚水発電所の大型化,高落差化への要求に応えるため,鉄管の高強度化が進められたが,充填コンクリートと岩盤に必要な剛性の議論はなされていない.経年劣化及び外水圧変化は維持管理上の留意点であるため,本論文ではAmstutz式導出の仮定を外して,充填コンクリートを弾塑性体,岩盤を弾性体でモデル化し,鉄管とコンクリートの間隙部には接触条件を考慮して限界座屈圧力を数値解析的に検討している.Borotの外水圧座屈試験結果と解析結果の比較により解析手法を検証した後,実態に即した数値解析モデルと物性値を用いて,鉄管周囲の拘束効果が座屈圧力に及ぼす影響を明らかにしている.