鉄道における現在の強風時列車運転規制ルールでは,風速計が規制風速に達する風を観測した場合,列車は予め定められた運転速度以下での運行や運転中止を行う.しかしながら,強風区間を低速で走行する場合には強風に曝される時間が長くなるため,必ずしも安全性が高いとはいえない可能性がある.そこで,確率的風速モデル(確率過程)を仮定した上で,列車が危険区間を通過する間に確率過程が転覆限界風速を超過する確率(転覆限界風速超過確率)を算出し,転覆限界風速超過確率を最小とする列車運転速度を決定する.確率過程を仮定し,転覆限界風速超過確率の大小を判別する指標(確率指標)を計算した所,徐行(25 km/h 以下)ではない列車運転速度で転覆限界風速超過確率が最小となった.