2020 年 76 巻 2 号 p. 376-394
本研究では,大規模地震時や降伏震度の低い既設構造物を対象とした場合の鉄道車両の地震時走行安全性の弱点箇所の効率的な判定を目的として,構造物の非線形挙動が車両の脱線限界に及ぼす影響度を定量化し,構造物の振動加速度と構造物境界の不同変位を同時に考慮した地震時走行安全性の簡易評価手法を提案した.提案手法は,構造物の天端加速度と構造物境界の角折れといった構造物の応答のみから脱線の発生を判定することができる一般性の高い手法である.従来は独立に照査していた振動変位と不同変位を連続した関数により評価でき,これにより弱点特性に応じた効果的な対策工の選定が可能となった.また,その妥当性は車両/構造物の非線形動的相互作用解析に基づき算出された脱線が発生する地震動規模および位置との比較により検討した.