2021 年 77 巻 3 号 p. 405-417
2016年熊本地震はMj6.5の前震及びMj7.3の本震により熊本県全域に大きな被害をもたらした.特に,熊本城では,石垣全体の30%が崩壊や孕みの被害が生じた.東日本大震災,熊本地震を契機として,城郭石垣の耐震性能の向上が期待できる補強工法の検討が望まれるが,城郭石垣の既往事例でも耐震補強対策の効果を明確にして適用したものは見当たらない.そこで,茨城県つくば市にある防災科学技術研究所の大型振動台実験施設を用いて2019年8月5日~10月14日の期間で6つのモデルについて3回の耐震性能実験を行った.本論文では,その大型実験の内容及び結果について言及している.実験の結果,石塁タイプではジオテキスタイル巻込みモデル,非石塁タイプでは筒状固結体アンカー工法モデルの変状が非常に少なく効果的であることが明らかとなった.