2021 年 77 巻 4 号 p. I_79-I_87
地震時の断水被害軽減のため,水道施設・管路の耐震化が推進されている.橋梁添架部の管路には,耐久性に優れ,軽量な溶接鋼管が広く採用されてきた.しかし,現地溶接工法における専門的な溶接技術者の確保など施工面・品質管理面での課題があり,耐震性能に加え,漏水リスク無く,容易に施工可能な鋼管の接続方法が求められる.そこで,本研究は「溶接鋼管と同等以上の継手強度」を備え,作業者の溶接技量に依存すること無く,簡単且つ確実に接続可能なメカニカル形式の鋼管継手(以下,耐震性鋼管継手)を開発した.耐震性鋼管継手の設計検証及び検証試験を行い,耐震性鋼管継手で接続した鋼管が溶接鋼管以上の性能を有し,一体構造管として見なせることを確認した.