2022 年 78 巻 3 号 p. 462-479
通常,弾性設計が行われる非エネルギー吸収部材からなる骨組構造を対象として,設計上の想定を超える地震動が作用した際の動的崩壊挙動について検討を行った.まず,上路式鋼アーチ橋の端柱部分を想定した崩壊モードの異なる2種類の骨組模型供試体を用いる振動台実験を実施し,対傾構の全体座屈や柱基部の局部座屈などの部材の破壊と骨組全体の崩壊挙動との関係について検証した.つぎに詳細なFEモデルを用いる時刻歴応答解析を行い,振動台実験における骨組模型の動的崩壊挙動の再現性について検証するとともに,Pushover解析により崩壊モードの予測が可能であることを示した.加速度振幅倍率を変化させた複数の地震動に対する崩壊性状をFE解析により確認し,振動台実験の結果を補完した.