土木学会論文集A1(構造・地震工学)
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和文論文
相反定理に基づく有限要素モデルの修正が不要な影響線の解析
斉木 功三井 涼平横山 薫鈴木 俊光橋本 幹司
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2022 年 78 巻 3 号 p. 480-489

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抄録

 橋梁のように移動荷重を受ける構造物の設計において,着目点の応力等を荷重載荷位置で表した影響線は必要不可欠な概念である.影響線を有限要素モデルで求めようとすると,荷重作用範囲の節点数と同じ数の解析が必要となる.一方,Müller-Breslauの原理を有限要素解析に適用する方法も提案されているが,着目点に不連続変位を与えるため,手間のかかるモデルの修正が必要となる.そこで本論文では,モデルの修正が不要で汎用有限要素解析コードへの実装が容易な影響線の解析手法を提案する.提案手法は有限要素離散化した問題へ直接適用した相反定理に基づいている.平面応力問題および3次元問題の具体例に対して,提案手法により求められた影響線を通常の単位荷重による有限要素解析結果と比較することで提案手法の妥当性を確認した.

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© 2022 公益社団法人 土木学会
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