2022 年 78 巻 3 号 p. 490-507
既存の耐震設計法では,半地下構造物に作用する地震時土圧を適切に評価できないため,近年では非線形動的FEM解析によって設計照査が行われている.本研究では,構造物全体系のつり合いを考慮して地盤線形時の土圧分布に地盤破壊の影響を再配分することにより,地震時土圧と残留土圧の分布を簡易的に推定する手法を提案した.二次元非線形動的FEM解析を用いて,構造物や地盤の物性,実地震動波形への適合性について,提案法の妥当性を検討した結果,半地下構造物の地震時と地震後の土圧分布を適切に推定できることが確認された.また,構造物側壁のせん断力と基部曲げモーメントを評価するための,土圧の合力と合モーメントの定量評価を行い,提案法が非線形動的解析結果に比べて 5~25%程度大きい安全側の値を与えることが示された.