2022 年 78 巻 4 号 p. I_720-I_729
2011年東日本大震災では地盤の液状化により約27,000棟の戸建て住宅の沈下や傾斜被害が発生した.今後,同様の液状化被害を防ぐために,既設戸建て住宅に対する液状化対策の開発が急務である.本報では,既設戸建て住宅に対して対策を行う上での“狭い施工空間” “対策費用”といった制約を満足する新しい液状化対策工を提案する.この対策工は,地盤が液状化した際の支持力低下分を小口径の杭材の軸力とそれに連結したワイヤーの張力で補うものである.ここでは,1/25スケールの重力場の振動台実験により,杭やワイヤーの配置による対策効果を考察した.その結果,建物周囲に配置した杭端部の水平方向の変位を拘束することで建物模型のめり込み沈下を抑制できることがわかった.加えて液状化地盤中の杭材の変形に伴う曲げ降伏は生じなかった.