抄録
「東日本大震災」は未曾有の大規模広域災害であった.最大震度7の地震発生,巨大津波の襲来により自治体の庁舎が流出し行政機能が停止した.さらに,道路や上下水道,ガスや電気等の生活インフラ,電話や行政無線等の情報インフラ等が寸断され,被害状況の確認ができず安否確認や救命活動に遅れが生じ,復旧や災害対策に支障を来し被害を拡大する事態となった.本研究では,行政無線等が機能せず被害拡大に繋がったことに着目し,被災地域の行政および消防機関へのアンケート調査とヒヤリング調査をもとに、大規模広域災害時における防災情報伝達,防災情報システムの在り方について検討する.