2013 年 69 巻 1 号 p. 32-45
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震とその後の大津波や大規模余震によって我が国は甚大な被害を受け,現在も震災からの復旧・復興に向けた作業が継続されている.このような震災復旧・復興工事では,通常作業とは異なり狭隘な作業箇所での輻輳した環境から労働者が被災する災害事例が多く報告されている.本論文では,東日本大震災による震災復旧工事における労働災害(死傷病災害)の発生状況について調査し,震災復旧工事における労働災害の特徴を分析した.さらに,地震被害に応じた震災復旧工事による労働災害発生の蓋然性を調査した既往の研究結果についても検証した.