2013 年 69 巻 2 号 p. I_121-I_126
消防組織法には,一定の火災・災害等が発生した際、消防庁長官が地方自治体に対し消防情報等に関する報告を求めることができる旨が規定されており、このうち火災・災害等に関する即報について規定したものが、火災・災害等即報要領である.
要領には,様々な災害事象について自治体と消防庁との間でやり取りされる様々な情報─災害対応に必要不可欠なものを含む─が規定されており,これらが自治体が災害情報を共有する際の一つの標準となっているが,多くの自治体ではこれらの情報を他組織や組織内の関係部署と連携した災害対応に活かしきれてない場合も多い.
本稿では,要領において規定されているもののうち「災害即報」の様々な情報について,初動対応時の有用性を検証すると共に,近年様々な自治体により開発が進められているICTを活用した災害時情報共有基盤における活用のあり方を考察する.