土木学会論文集F6(安全問題)
Online ISSN : 2185-6621
ISSN-L : 2185-6621
特集号(和文論文)
腐食が進行した鋼矢板構造物のコンクリート被覆による保護工に関する実証的研究
小林 秀一鈴木 哲也長崎 文博佐藤 弘輝
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 69 巻 2 号 p. I_55-I_62

詳細
抄録
 鋼矢板水路は作物生産基盤において広く用いられている.近年,これら構造材の長期耐久性と鋼材腐食との関係が技術的課題として議論されている.本研究では,腐食が進行した鋼矢板の保護工法を検討するために鋼矢板‐コンクリート複合材の適用を検討した.実験的検討は,モデル試験と実構造物で行った.鋼矢板‐コンクリート複合材の曲げ挙動の特性評価には,AE(Acoustic Emission)と荷重‐変位挙動を用いた.検討の結果,複合材の力学特性は,最大変位量と作用モーメントの関係により評価可能である.曲げ載荷過程での破壊挙動は,AE発生挙動と密接に関連していた.本試験結果から,鋼矢板表面にコンクリート被覆を施すことの有効性が定量的に評価できたものと推察された.
著者関連情報
© 2013 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top