抄録
我が国は様々な自然現象によって斜面崩壊等の斜面災害が多発している.このような斜面災害から社会インフラや住居を護るために吹き付け工などの法面工事が行われる.法面工事は斜面での作業を伴うため,作業員の安全を確保するために親綱と安全帯を使用した墜落災害防止対策を行っている.しかし,親綱の固定方法の目安は提示されているが,工学的根拠については明確ではない.そこで,本研究では親綱の固定方法の1つであるアンカーを打設して固定する方法について,適切なアンカー径や打設深さ,形状,親綱の擦れ防止方法などを検討し,法面作業時の安全性を確保することを目的とする.本報では,斜面工事現場をモデル化した実験盛土での衝撃載荷実験結果の一例について報告する.