抄録
人口が集中し,多くの機能が混在する都市部に比べ,過疎・高齢化が進み,集落が散在する地方部では地域によってその保有する機能に違いがあることから,大災害後の地域継続を図るためには地域の自立性と持続性を適格に評価し,そこに住む「人」に着目して総合的に防災・減災対策に取り組んで行く必要がある.そこで本論文では地域ぐるみで開催される地方イベントに着目し,地域継続のために地域で取り組むべき課題の抽出を試みたものである.具体的には,和歌山県で行われるイベントの特徴的な取り組みを整理し,都市部と地方部の特徴を比較することにより,自立性,持続性を踏まえた地域防災力の評価と防災・減災まちづくりのあり方について考察する.