2015 年 71 巻 2 号 p. I_19-I_26
長寿命化修繕計画においては,例えば大規模広域災害が発生した場合,異常時点検を実施するというルーチンは明記されてはいるものの,修繕計画には「頑健性」や「冗長性」,「即応性」などのレジリエンス特性と呼ばれる回復性を評価する指標が考慮されていない.行政機関などではレジリエンスを考慮したBCP策定の取り組みや,レジリエンスを考慮した道路網の信頼性解析に基づく地震対策の評価など,レジリエンスの考え方を取り入れた研究が昨今検討されてきている.本研究では,大規模広域災害におけるレジリエンス能力として,「対処能力」,「注意能力」,「学習能力」,「予見能力」の4つの観点から,策定されている長寿命化修繕計画を評価することを試みる.