抄録
日本の高齢化は,世界に例をみない速度で進行しており,2007年に超高齢社会を迎えた.それに伴い,介護を必要とする「要介護高齢者」の数も増加している.このような中で,高齢者を始めとする災害時要援護者が自然災害により被災する事例が多発しており,自然災害からこれらの人々の安全・安心を確保することが求められる.今後,災害時要援護者の分布や通院状況などは,我が国の防災対策を考える上で無視することができない.被害を最小にする対応には,災害時要援護者の実数・生活場所を確認し,通常の救護・介護体制を把握し,災害発生時の地域社会の救援体制整備が不可欠である.
そこで本研究では,国民健康保険データベース(KDB)を用いて,疾患別の患者の分布について分析を行い,被災可能性と被災者属性を明らかにした.また,災害時要援護者を考慮した避難シミュレーションを実施した.