土木学会論文集F6(安全問題)
Online ISSN : 2185-6621
ISSN-L : 2185-6621
特集号(和文論文)
基礎自治体職員のレジリエンス能力評価手法の提案
坂田 朗夫川本 篤志伊藤 則夫白木 渡
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2016 年 72 巻 2 号 p. I_71-I_76

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抄録
 東日本大震災では,主要施設の機能不全,社会基盤施設の壊滅的被害等想定を超える事態が発生した.その結果,住民の生命,財産,生活を守るべき基礎自治体(市町村)がその機能を発揮できず,住民が長期間にわたって過酷な避難生活を強いられることになった.これを受けて,内閣府からは,行政機関,特に基礎自治体である市町村に対して想定を超える事態においても重要機能が継続できるようにBCPの策定・見直しの指示が出されている.しかし,被災地域が広範囲にわたる大規模災害では,被災地外からの支援・救援が遅れ,行政機能が発揮できない空白期間の長期化が避けられない状況であり,基礎自治体の危機対応能力向上が求められる.
 本研究では,大阪府の基礎自治体職員の防災意識についてアンケート調査を行い,レジリエンスエンジニアリングの手法を用いて災害対応に必要な危機対応能力をレジリエンス4能力(対処能力,監視能力,予見能力,学習能力)により評価する.そして現時点での職員の災害時対応能力で欠けている能力を分析するとともに,職員の災害時対応能力向上に向けての対策を提案する.
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© 2016 公益社団法人 土木学会
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