抄録
インフラ長寿命化修繕計画はその運用が数十年と長期間にわたるが,継続的な実施が保証されているわけではなく,様々な要因により修繕計画の中断,一時停止,延期などが発生する可能性がある.修繕計画は継続的な運用を前提にしてLCC最小化シナリオを設定しており,補修・改築の延期や中断が長期にわたるとLCCが増加する恐れがある.そこで,本研究ではインフラ長寿命化修繕計画の継続的な運用に影響を与える要因に着目し,脆弱性とレジリエンスの両面から評価することを試みる.評価に際しては性能マトリクス形式で表示することにより現在の状況が理解し易く,また改善後の評価も対話形式で進めることができるなどの利点がある.地方自治体が公開している修繕計画を対象にして,2軸のマトリクス評価の実例を示す.