2019 年 75 巻 2 号 p. I_9-I_19
災害がよく起こる日本では,日頃からの備えとして地区住民が主体となった避難訓練を実施するなど災害への備えを進めている.こうした中で,より効果的に避難意識を向上させようと,モビリティ・マネジメント手法を適用した実験がされており,より適切な個別コミュニケーションの実施ができれば,より効果的な行動変容を促すことも可能と考える.
そこで,より効果的な行動変容を把握するため,2つのトラベル・フィードバック・プログラムを用いた実証実験を東京都豊島区および徳島県にて実施した.その結果,簡易トラベル・フィードバック・プログラムではレスポンス回数の違いが避難訓練への参加ならびに災害準備行動に影響を与えることが確認できた.また,ワンショットトラベル・フィードバック・プログラムでは実施間隔の長さが災害準備行動に影響を与える可能性を示すことができた.